いわゆる「キャンプダッチオーブン」には、子供の頃から憧れがあった。 しかし、私の旅は自転車や登山で山を移動したり、カヌーやカヤックで川や海を旅するスタイルが中心。自分で背負ったり、船に載せるにはこのタイプのダッチオーブンは重くて使えないから、オートキャンプをしない自分には必要ないと思っていた。 【画像】あれもこれも旨そう!プロによるスキレット焚き火料理例 「でも、やっぱり欲しいよなあー」 グズグズとそう思っていた欲求を満たすために、私が初めて買ったダッチオーブンがロッジの「コンボクッカー」だ。これは蓋が浅めのスキレットになっている片手鍋で、蓋に炭が乗せやすいよう縁が高く設計されたキャンプダッチオーブンよりもだいぶ軽いが、同じような調理が楽しめる。 当時のものは現行モデルに比べると蓋の縁の高さは半分ほど。自宅で使っている時はあまり不満は感じなかったが、友人に誘われてキャンプに行ってこの蓋スキレットで料理をすると、「この縁の低いスキレットでは調理の用途が限られるなぁ」と感じたものである。 そこで、すぐにしっかりと縁のある単体のスキレットを購入した。これは用途が広く、キャンプ以外にも毎日のように家で使っていた。 ハムエッグやトーストを焼くのにも役立つし、パンケーキや餃子も美味しく焼き上げられる。蓄熱性の高い鋳鉄製なので、焼きムラが少なくていい。さらに蓋があれば、大きな肉でなければロースト料理もできる。スープもご飯も炊ける、非常に万能なパンなのだ。
■汎用性が高いユーティリティプレイヤー
蓋に炭を載せるための縁はないが、アルミホイルを棒状にし、輪っかを作り蓋に乗せると簡易的な縁になり、上火を使いたい時に炭を載せても落ちにくくなる。私はケーキ型のステンレス製のセルクル(底のないケーキ型)を蓋のサイズに合わせて使っている。道具は増えてしまうが、この方がさらに使いやすくなる。 ダッチオーブンにもいろいろな種類がある。どれを買えばいいか迷っている人には、キャンプや家庭でも使いやすいこの「スキレット」をおすすめしたい。汎用性が高く、「ユーティリティプレイヤー」として、さまざまな料理をいつでもどこでも美味しく仕上げてくれるだろう。 キャンプでの汎用性の高さで選ぶなら、おすすめのサイズは9インチ。2人暮らし程度の分量の調理に普段使いする機会が多くなりそうなら8インチ、4~5人ほどのキャンプでメイン料理を作るなら10インチが使いやすい。 私は撮影用にアウトドア料理をこしらえる仕事柄もあり、今まで大小様々なサイズのスキレットを買い揃えてきた。店を始めてからは、小さい6 1/2インチのスキレットで料理を提供している。「何枚持ってるの?」と改めて数えないとわからないほどになってしまった。 困ったことに、蓋によってロゴが無かったり、浮き彫り仕様だったのだが、新しいものは沈み彫りに代わったりしている。撮影で使うので現行モデルがいいのだろうと、最近人気のあるサイズをさらに買い足してしまった。どこまでうちの収納棚が持ちこたえてくれるか、最近はちょっと不安だ。 鋳鉄製のダッチオーブン類の注意点は、落とすと割れてしまうこと。しかし、割らない限り、しっかりメンテナンスをすれば一生使える。そして、使えば使うほど鍋肌に油が馴染み、焼け焦げがつかなくなり、使いやすくなってますます愛着も湧く。気に入った道具とは長く付き合いたい。 小雀 陣二(こすずめ じゅんじ) アウトドアコーディネーター アウトドアメーカー勤務を経て、雑誌を中心に広告、CMなどアウトドアに関する撮影をサポート。得意な料理を通じ、各メディアで手軽で簡単な料理やレシピなどを紹介し、料理教室も行う。国内外でカヤックツアー、MTBツアーなどを行い、アウトドアで過ごす楽しさや重要性を伝える活動を行っている。その経験を生かし、アウトドア道具の企画、デザインにも携わる。著書に「焚き火料理の本」「山料理」(山と渓谷社)など、キャンプ料理や山料理のレシピ本多数。週末は、三浦半島の突端、三崎港でカフェ「雀家」を営む。株式会社雀家・代表取締役。共著に『”無人地帯”の遊び方 人力移動と野営術(グラフィック社)』。 矢島 慎一(やじま しんいち) カメラマン 埼玉県秩父市生まれ。趣味は写真撮影と野鳥観察。登山専門誌『PEAKS』にて、写真講座「そろそろ本気で撮るぜ山写真」を連載中。 共著に『”無人地帯”の遊び方 人力移動と野営術(グラフィック社)』。
小雀 陣二,矢島 慎一
からの記事と詳細 ( キャンプ用に「初めてのスキレット」買うなら使いやすいサイズは!?(BRAVO MOUNTAIN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
https://ift.tt/39QtdrF
No comments:
Post a Comment