〜〜JR各社の検測車両図鑑(その1)〜〜
電車や列車が走り続ける限り、線路や架線の状態を定期的に調べて保守管理することが必要になる。そうした線路や架線の状況を効率良く調べるために「検測車両(検査車両)」が働いている。
東海道・山陽新幹線を走る「ドクターイエロー」がその代表格にあたる。このドクターイエロー以外にも、各社で多くの専用車両が使われている。珍しい車両ということもあり、出会えたらラッキーと注目する人も多い。今回はその1回目としてJR各社で使われている検測車両(検査車両)を紹介する。
*ご注意:保線用の軌道検測車は除外しました。運行に関して、各社へのお問い合わせはご遠慮ください。撮影および見学は新型感染症の流行が終息した後に楽しみましょう。
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【新幹線電気軌道総合試験車】
JR東海・JR西日本923形「ドクターイエロー」
新幹線の“お医者さん”の運行にはのぞみ検測とこだま検測がある
「ドクターイエロー」の名前でおなじみの車両で、正式には東海道・山陽新幹線用「新幹線電気軌道総合試験車」だ。形式名は923形で、7両×2編成が製造された。JR東海の編成は2000年に登場した923形0番台でT4編成と呼ばれる。JR西日本の編成は2005年に誕生した923形3000番台で、T5編成と呼ばれる。0番台と3000番台では、機器などに若干の相違点がある。
◇運行の状況
ほとんどの検査用車両を同じように、朝夕の列車が多い時間帯は避け1〜2週間おきに日中の時間帯を利用して運行される。通称「のぞみ検測」と「こだま検測」と呼ばれる運用があり、「のぞみ検測」はのぞみと同じように途中駅では通過線を走る。「こだま検測」はこだまと同じように各駅を停まりつつ走る。
両検測のダイヤは異なるが、1日目は東京駅を11時台に、2日目は博多駅を10時台(こだま検測は新大阪駅発15時台)に発車する。923形の運行日は公表されておらず、予想する個人のホームページに頼らざるをえない。こうした情報は結構あたるものの、あくまで予測なので注意したい。
ドクターイエローはすでに引退した700系を元に開発されただけに、今後の動向が注目されている。近年は検査機器が高度化、さらにコンパクトになり、ドクターイエローのような専門車両が必要としないとされる。一方で、2020年1月に、T5編成が全般検査を行ったこともあり、ここ数年は少なくとも走り続けそうである。
JR東日本E926形「East i(イーストアイ)」
JR東日本の新幹線の路線と北海道・北陸新幹線を走る
E926形電車は「ドクターイエロー」のJR東日本版で、「East-i(イーストアイ)」という愛称が付く。E3系を元に2001年に造られた。運行は東北・上越新幹線のほか、JR北海道が運営する北海道新幹線や、JR西日本が運営する北陸新幹線の検査も行う。さらにミニ新幹線のサイズを生かして、山形新幹線と秋田新幹線の検査を行う。
◇運行の状況
宮城県利府町にある新幹線総合車両センターに配置されているため、運行はこの車両センターに近い仙台駅からのスタートとなる。本線検測と副本線検測という検測行程があり、本線検測は1〜2週間おきの頻度で、副本線検測は2か月に1回程度行われる。
本線検測は3日にわたり、1日目は仙台駅 →(東北新幹線)→ 東京駅 →(上越新幹線)→ 新潟駅 →(上越新幹線)→ 上野駅 →(北陸新幹線)→金沢駅。2日目は金沢駅 →(北陸新幹線)→ 東京駅 →(東北新幹線)→ 仙台駅。3日目は仙台駅 →(東北・北海道新幹線)→ 新函館北斗駅 →(東北・北海道新幹線)→ 仙台駅という行程で走る。
出動する日は、個人のホームページを頼るしかないが、予測の方法を記したものもあり参考になる。筆者の経験では、予想される時間の前を走る定期列車が通過したあと、間もなく走る傾向がある。何度か慌てて失敗しかけたのでご注意を。
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April 26, 2020 at 05:17PM
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