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これまでに、タミヤの新作RCカーや復刻マシンの紹介を、ベストカーWebで何本かお届けしてきました。今回は、ちょっと視点を変え、実際に筆者が、2020年の年末に購入し、家の中で走らせて楽しんでいるタミヤのマッドマッド(SW-01シャーシ)というRCカーをご紹介します。
ステイホームで、ちょっとした盛り上がりを見せている、RCカーですが、「走らせることができなくてつまらない」と感じている方も多いかと思います。
家の中でも楽しめて、低価格、そしてコンパクトでコミカルなマッドマッドの魅力ともに、マッドマッドでドライビングテクを磨く練習方法をご紹介。実はこれ、実際のクルマの運転でも活きてくる練習方法なのです。
文/吉川賢一、写真/エムスリープロダクション
【画像ギャラリー】小さくても楽しめる!! 連続写真でマッドマッドの疾走感を見よ!!
■ポイントは「ロースピードと癖のあるハンドリング」 「普段と同じ送信機が使える」 「低価格」
生粋のRCカーファンである筆者。トイラジを除いて、小学生のころに買ってもらったグラスホッパーIIが最初で、10年ほど前に復活した愛好家です。RCカーの腕前は自称「中の中」レベル。
これまでは、定期的にRCカーのサーキットに通い、練習してきましたが、いまは、それもままなりません。「どうにかステイホームしながらRCカーで遊べないものか」と考えて、たどり着いたのが、タミヤの「マッドマッド」でした。
決め手は3つ。1つめは、手のひらに乗るくらいのコンパクトなサイズで、かつスピードが出ないこと。過去に、京商「ミニッツ」も所有しておりましたが、スピードが出すぎるためNG。その点、歩く程度の速さで走行するSW-01は最適でした。
また、ステアリングを切ると、サスペンションのアッパーリンクが動いて、ボディが内側に傾く構造となっており、運転操作にひとクセあるのも決め手となりました。絶妙なロースピードと、ちょっと癖のあるハンドリング、練習するにはちょうど良いマシンだと思ったのです。
2つめは、普段使っている送信機(フタバ製のプロポ7PX)がそのまま使えること。10分の1サイズを走らせることはできなくても、同じ送信機が使えれば、送信機を徹底的に手に馴染ませる、という練習をすることができます。
ステアリング用のサーボやスピードコントローラー、受信機も、手持ちの装備がそのまま使用できる(小柄なボディによくぞここまで詰め込める設計をしたものです)ため、追加コストもかからずに済みました。
(※京商のEVOシリーズでも7PXが使えましたが、マシンと受信機への投資が多くて断念しました)
そして3つめは、見た目と価格。武骨なエクステリアはパリダカラリーにも出ていそうな秀逸なデザインで、水色のボディカラー(塗装済)と派手なステッカーも実にマッチ。
剥き出しのサスペンションとラリーブロックタイヤで武装し、ホイールベースよりもトレッドの方が広いというデフォルメ感など、とにかく可愛い。筆者的には、見慣れたランチボ(ランチボックスの方がSW-01シャーシで有名)よりも好み。キットが1万円をきる価格で購入できたのも決め手となりました。
とまあ、いろいろと理屈を並べましたが、最大の動機は、「年末年始にラジコンできないのが悔しすぎて、とにかく何か欲しかった!!」です。「願望で買っちゃったあと、理屈で正当化する」、クルマ選びとまったく同じですね。でもそれでいいんです。
■「8の字走行」での練習は、実は奥が深い
SW-01は部品点数が少ないので、組み立ても簡単。すぐに練習を始めることができます。おすすめの練習方法は、パイロンが2個あればできる「8の字走行」です。
「8の字走行」は、RCカー初心者の方が、クルマが進んでいく方向を身に付けるための、最初の練習方法としてよく用いられる走り方ですが、RCカーの達人たちがする「8の字走行」は、その目的が違うそうです。
RCカーでタイムを縮めるための最重要課題は「コーナーをいかに速く走るか」。RCカーを極めるには「コーナリングを極める」ことにあるといっても過言ではありません。
コーナーで失速してしまうのは、オーバースピードのまま、コーナーに突っ込んで、アクセルをオフにしてハンドルを切り、減速しながら向きを変えて加速するから。
ちょっとマニアックになりますが理屈を説明すると、減速するとフロント輪に荷重がかかります。
その瞬間、フロントタイヤの接地荷重が増えた分、コーナリングフォースが増して、コーナー初期では曲がりやすくなりますが、クルマの向きが曲がりきるのを待たなくてはならず、待機時間が生じてしまうのです。通称、「突っ込み過ぎ」といわれる操作です。
RCカーの達人たちによると、コーナー手前の直線で減速を終え、アクセルを少し入れた状態(外側の後輪に荷重がのった状態)で、アクセルワークでコーナーを丸く駆け抜けるのが、良い操作方法だそう。
そのためには、パイロンを中心に、丸い円をイメージして(半径は1メートル程度)、そのイメージした円のラインをなぞるトレーニングが大切なのだそうです。
しかし、理屈は理解できても、これを実際にやるのはとても難しい。
線が引いてあれば、その上をなぞって走らせることはできます(むしろカンタン)が、一定速で走りながら、見えないラインを想像し、こまめなアクセルワークとハンドル操作(手が震えて見えるような頻度で修正を入れる)をし続けるのは、相当な集中力が必要。5分もやり続けると結構、消耗します。
しかし、これをマスターすると、実際のサーキットでの走行ラインが、劇的に改善するそうです。
「早めの速度コントロールとハンドルの微小な操作で、コーナーを一定速で丸く曲がる――」
実はこれ、実車のドライビングレッスンで学ぶことと全く同じこと。一流ドライバーのドライビングが、失速感がなく、流れるように繋がって見えるのは、こうしたコーナーをイメージする想像力と、それを何度も再現できるテクニックがあるから。
どうにか実車の話と繋げることができてホッとしていますが、RCカーとはいえ、ドライビングの基本は同じなのです。
今やネットでRCカーの練習方法や運転のコツが簡単に手に入るようになりました。ありがたいことです。それらを参考に、筆者は今夜も一人、自宅で練習に励みます。
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