子どもと気がねなくお出かけできるよう、子連れ専用のスペースを設ける鉄道会社が増えてきました。子連れで利用する人たちも含めて歓迎の声もある一方で、前向きな受け止めばかりでもないよう。子ども連れの専用車両などについて「#ニュース4U」で募ったところ、様々な意見が寄せられました。
息子がぐずり始め…
北海道に住む女性(34)は先日、2歳になりたての息子と1時間半、特急列車に乗った。
車内で静かに眠ってくれるように、乗車前にできるだけ息子を歩かせておいたが、乗って10分ほどたった頃、息子がぐずり始めた。
おもちゃを渡してあやし、背中をトントンしながら寝かしつけていると、二つ後ろに座っていた男性が女性の横に立って言った。「静かにしてくれませんか」
肩身が狭い思いで乗車した女性は子連れ専用車両を「うらやましい」と見る。
「他人から注意を受けても、親もどうしようもできない。いっそのこと隔離してもらって、お互いさまだよねという感じで育児していたほうが心が楽かな」
「寂しい感じがする」
兵庫県に住む女性(57)は「子どもはうるさいから子どもの方に行けばいい、という考えは寂しい感じがする」。
今の保護者を見ると、(自分が育児をしていた頃より)さらに電車での過ごし方に気をつかっているように見える。
「雑誌やネットで、『初めて使う音が出ないおもちゃを1個用意して』とか書いてある。工夫して当たり前、泣かせないようにおもちゃをもっておくものでしょ、みたいにハードルが上がって、しんどそう」
「シングル、子無し」という東京都の女性(41)は、子連れ車両には賛成だ。「在来線の電車にも女性専用車両がある。子どもがいる人同士ならお互い許せるというのもあると思うし、本当に子どもが嫌な人はそこに乗らないという選択もできる」
福島県在住の女性(53)は、「本当は子連れでも気にせず移動できるのがいいと思う」と話す。
第3子が幼稚園に通っていた頃、たまにバスに乗るときは「とにかく途中で何かないように」と緊張していた。「子どもにも必要以上にプレッシャーを与え、親も子も楽しくない。子どももそういう時に限って変な空気を感じて騒いでしまう」という。
「子連れとそうでない人が対立するのではなく、社会みんなで子育てをする雰囲気があれば」という女性。大人のなかでどういう振る舞いをしないといけないかをちょっとずつ教えていく機会でもあると考えている。
「気持ちにゆとりがある人、病院帰りや仕事帰りで疲れている人など、それぞれの事情がある。みんな丸く収まることはないと思うけど、みんながちょっとずつ気遣えたらいいんじゃないかな」
公共交通で、子連れの人向けのスペースを確保する動きは広がっている。
JR東海は、「『泣いたらどうしよう』という心配がいらない!」といううたい文句で、週末や大型連休中に「お子さま連れ専用車両」を設けている。同社によると、長期休暇に合わせて「ファミリー車両」などの類似サービスは2010年から実施しているという。
小田急電鉄は今春から「子育て応援車」として、通勤車両の3号車に「お子さま連れのお客さまに、安心してご乗車いただける車両です」とステッカーを貼った。
都営地下鉄大江戸線では19年、ベビーカーでの通勤で肩身が狭いという市民団体の要望に応えて、優先席の壁をアニメ「きかんしゃトーマス」で装飾した「子育て応援スペース」を導入した。(石田貴子、松川希実)
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この大型連休で3年ぶりに、子連れでのお出かけをした方も多かったと思います。公共の場で、子連れ向けスペースを作るところも増えています。ご意見や体験を、dkh@asahi.comへお寄せください。いただいたご意見は、朝日新聞に掲載させていただくことがあります。
からの記事と詳細 ( 「子連れ専用車両」歓迎の一方で複雑な思いも 鉄道各社も工夫:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル )
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