子どもと気がねなくお出かけできるよう、子連れ専用のスペースを設ける鉄道会社が増えてきた。子連れで利用する人たちの声に後押しされた形で、選択肢が増えたことは歓迎されている。一方で、前向きな受け止めばかりでもないよう。何が変わりつつあるのか。
「『泣いたらどうしよう』という心配がいらない!」。こんなうたい文句で販売中のJR東海の「お子さま連れ専用車両」を巡り、ツイッターで3月、ちょっとした論争が起きた。「迷惑をかけないかと気がねをしないで済む」と歓迎の声の一方、子連れの側が「隔離」されているようだ、と疑問の声があがったのだ。
同社によると、長期休暇に合わせて「ファミリー車両」などの類似サービスを始めたのは2010年から。アンケートでは「気がねなく利用できる」と好評で、コロナ禍前は、利用客・本数ともに、年々増えていたという。
公共交通で、子連れの人向けのスペースを確保する動きは広がっている。
この大型連休で3年ぶりに、子連れでのお出かけをした方も多かったと思います。公共の場で、子連れ向けスペースを作るところも増えています。ご意見や体験を、dkh@asahi.comへお寄せください。いただいたご意見は、朝日新聞に掲載させていただくことがあります。
小田急電鉄は今春から「子育て応援車」として、通勤車両の3号車に「お子さま連れのお客さまに、安心してご乗車いただける車両です」とステッカーを貼った。車両ごとに利用客の「すみ分け」はできないものの、泣く子やベビーカー利用者への理解を広げるのが狙いだという。
都営地下鉄大江戸線では19年、優先席の壁をアニメ「きかんしゃトーマス」で装飾した「子育て応援スペース」を導入した。ベビーカーでの通勤で肩身が狭いという市民団体の要望に応えた形だった。
記事後半では、交通経済学者や社会学者や当事者団体の見方、「寂しい感じがする」というも紹介します。
こうした動きに、当事者が果たしてきた役割は大きい。1970年代には、国鉄(現JR)、私鉄、地下鉄が、ベビーカーは「危険でほかの客の迷惑になる」という理由で、「ベビーカーの乗り入れ禁止」というポスターを各駅に貼り、当事者らが抗議する「ベビーカー論争」が起きた。子育て関連団体と交通事業者が協議会を設置し、ベビーカー使用の理解を広げ始めたのはここ10年。電車やバスでもベビーカーを折りたたまずに乗れるようになった。
■過去には「ベビーカー論争」…
からの記事と詳細 ( 子連れ専用車両、「歓迎」だけでない理由 子育て世帯が少数派の今に - 朝日新聞デジタル )
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