クルマを保有・運転するようになったら、まず加入する必要があるのが自動車保険(任意保険)だ。現在、加入率は7割を超える。小難しいワードや内容があり、専門家に任せてしまいがちな自動車保険だが、ポイントをしっかりと押さえれば、自分で見直しをすることもできる。
今回は、金融業・自動車ディーラーで仕事に従事してきた筆者が、自動車保険加入の際のチェックポイントや、お財布に優しい自動車保険の入り方について解説していく。
文/佐々木亘
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「どこの」よりも「どこで」加入するかが大切
自動車保険を取扱う保険会社の数は多い。そのため、どこの保険会社にすればいいのかと迷う人が多いと思うが、まずは保険会社を選ぶ前に、どのようにして自動車保険に加入するかを考えたい。
大きく分ければ選択肢は2つある。1つは自分自身が手続きをすべて行って加入する方法、もう1つは代理店を経由して加入する方法だ。
自分自身が手続きのすべてを行うネット・通販系のメリットは、保険料が安い、加入手続きがどこでもできるという点になる。デメリットとしては、正しく保険に加入できているのかわからない、保険会社とのやり取りは電話かメールになり対面できないといったところだろう。
対して代理店を経由して加入する方法では、対面しながら内容を説明してもらい、理解・納得したうえで保険に加入できるというメリットがある。相談する先も明確で、実際に担当者がいるため、安心感も高い。デメリットは、保険料の高さと手続きの面倒な点、特に更新ごとに代理店と時間を合わせて更新手続きを行わなければならないのは、ユーザーの負担が大きい。
万が一の事故発生時に、保険のプロと対面しながら事故対応をしていきたいと考える人には、代理店での加入を勧める。
代理店にも様々種類があり、専業代理店、ショッピングモールの一角に窓口を構える保険の相談窓口的な代理店、自動車ディーラーなどが代表的なところだ。代理店は自分がいつ・どの時間帯にクルマを使うことが多いのかで、選び分けると良い。平日昼間にクルマを使用することが多ければ専業代理店でいいだろうし、土日祝日にクルマを使うことが多いなら、土日も営業している自動車ディーラーで加入すると安心だ。
どの保険会社かよりも、どの方法(ネットor代理店)を選ぶかが、自動車保険選びの入り口で重要である。あとは、自分が選んだ方法の取り扱っている保険会社のなかから、加入先を選んでいこう。
補償は相手・自分・自分のクルマの3種類
難しい印象のある自動車保険の補償内容は、大きく3つに分けて考えよう。
まずは相手に対する補償(対物・対人賠償責任)、次に自分自身+家族や同乗者に対する補償(人身傷害)、最後に自分自身のクルマに対する補償(車両保険)だ。
相手に対する補償に関しては、基本的に「無制限」を選びたい。自動車事故を起こした際は被害者に対し、治療関係費用、休業損害、慰謝料、逸失利益、損害賠償といった多数の賠償・支払い義務が生じる可能性があるからだ。
人身事故での高額賠償で3億~5億円超、物損事故では1億~2億円を超える賠償を認めた判例が存在する。相手への補償額は無制限を選び、万が一に備えておきたい。
人身傷害は一般的に、3000万~5000万円の範囲で充分だ。加入している生命保険や医療保険などの内容などと見比べながら、自身に対する補償額を決めていくといいだろう。
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