インドの道路交通・高速道路省と西部のグジャラート(GJ)州政府は8月13日に投資家サミットを開催した。政府が3月に発表した「車両廃棄政策」にのっとった車両廃棄施設に対する民間投資を促進するのが狙い。
サミットでは、ニティン・ガドカリ道路交通・高速道路相と、ビジャイ・ルパニ州首相が共同議長を務め、ナレンドラ・モディ首相が主賓としてオンライン参加した。モディ首相は車両廃棄政策の開始を宣言し、「この政策はインドの車両の近代化に貢献し、科学的な方法で道路から不適格な自動車を排除するために大きな役割を果たす」と述べた。また、同政策のポイントについて以下のように言及した。
- 自動車廃棄政策が国内の自動車産業と金属産業を活性化させる。
- 一般の車両所有者のメリットとして、廃車の際に発行される廃車証明書を有していれば、新車購入時に登録料が免除される。
- 道路税支払いに対して、幾つかの補助金手当が与えられる。
- 適切な車両廃棄は整備・修理費や燃料費の節約になり、最終的には交通事故が減少し、車両による汚染が減少するため、国民の健康状態も改善される。
モディ首相は、インド随一の廃船産業の集積地であるGJ州バブナガールのアラング(Alang)にも言及し、そのインフラ設備とマンパワーの蓄積を車両廃棄に活用すれば、GJ州が総合的な「スクラップ・ハブ」として発展する可能性があることを示した。
民間投資は、「登録車両廃棄施設」(RVSF)や「適合性自動検査場」(ATS)といった車両廃棄関連分野などで期待されている。今回のサミットでは、RVSFの新規設置(GJ州に6カ所、アッサム州に1カ所)に向けた覚書(MoU)調印式も行われ、地場企業タタモーターズによるGJ州最大都市アーメダバードへのRVSF設置を支援する覚書を締結した。
「車両廃棄政策案」は、道路交通・高速道路省が2021年3月に発表し、関係者からパブリックコメントを求めていた。同案では、個人用車両は20年経過後、商用車は15年経過後に適合テストが必要となる。廃車証明書による新車購入時の割引や、登録税免除などのインセンティブがある一方で、上記期間を超えて登録更新をする場合、登録料や検査料の割り増しなど、更新を抑制するためのルールも導入されている。車両は強制的に適合性テストと汚染テストを今後段階的に導入されるATSで受けることが要求される。ATSはPPP(官民連携)方式で設置される予定と規定されている。
(古川毅彦、ウルワシ・クマリ)
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