スウェーデンのストロボメーカーProfotoより、新たなライトシェーピーングツールが発売された。
Profotoは多くのプロフォトグラファーに愛用されているストロボを長年作っているメーカーで、近年ではハイアマチュアでも使い易い「Profoto A10」(以下A10)などのオンカメラストロボや、「Profoto B10」(以下B10)などのバッテリー式モノライトを多く発売している。筆者も学生時代から長くProfoto製品を使っており、現在は「Profoto A1」「Profoto B10」「Profoto D2」を使って様々な撮影をおこなっている。
Profotoの魅力は沢山あるが、美しい光はもちろんのこと、高速チャージなどプロの過酷な現場でも止まらない高性能さと安定感が魅力だ。
さらに、Profotoのストロボには様々なライトシェーピーングツールを装着することができる。ライトシェーピーングツールとはストロボの光の質や照射角度を変える重要なアクセサリーのことだ。
現在、ライトシェーピーングツールはすでに120種類あり、Profotoの強い武器となっている。ライトシェーピーングツールにはハードタイプとソフトタイプがあり、用途に合わせて使い分けができる。
のうちソフトボックスは「RFiシリーズ」と「OCFシリーズ」の2ラインが用意されている。「RFiシリーズ」はスタジオで使う頑丈で耐久性の高いシリーズ。モデリングランプがハロゲンでも使えたり、しっかりしているため組み立てに時間が掛かってしまう一面もある。
もう一つの「OCFシリーズ」は、バッテリー式モノライトが主流になり登場した。とにかく組み立てが楽でスピーディー、軽量コンパクトで使い勝手抜群のシリーズだ。
今回紹介したいライトシェーピーングツールは、OCFシリーズに追加された「OCF ソフトボックス 90cm Octa」(以下90cmオクタ)と「OCF ソフトボックス 30×120cm」(以下30×120cm)の2種類だ。
どちらもこれまで小さなサイズで発売されていたが、今年6月にひとまわり大きなサイズがラインナップに追加された。
全身撮影が容易になった「90cmオクタ」
基本的に筆者が人物撮影をする場合、従来からのサイズである「OCF ソフトボックス 60cm Octa」(以下60cmオクタ)を使用することが多い。
60cmオクタで効率良く光を当てようとすると、バストアップかウエストアップでの撮影が都合が良く、その反面、全身を撮影するとなると、被写体から光源を離さなければならない。
しかしライトを被写体から離すと今度は光が硬くなってしまい、生っぽくなってしまう。被写体の近くからより広い面積に光を当てるには、光源自体の大きさが必要なのだ。
そして、今回発売された90cmオクタは、60cmオクタより一回り大きくなったことで光をより均一に広く照射することができる。直径90cmもあれば多くのシーンで人物全身のライティングが可能になる。
実際に使用してみると、大きさ、ソフトボックスの深さ共に十分な余裕があり被写体を均等にライティングすることができた。ハイライトから影の落ちるフォールオフまでなだらかで階調豊かな表現。内部ディフュザーとアウターディフューザーによる拡散効果による光の美しさは、さすがProfotoのソフトボックスだ。
またオクタは八角形のため、瞳に入るキャッチライトも美しい。光の質や安定感も60cmに比べてあるので非常に使い易い印象だ。
ただ、90cmともなるとかなりのサイズ感になる。ロケーションでの使用は風が吹くことも考え、少し頑丈なスタンドとウエイトを使うことオススメしたい。
60cmオクタとの比較
同じ位置・光量で90cmオクタと60cmオクタを比較してみた。90cmオクタの方が足元までカバーしているのがわかる。影のエッジも90cmオクタの方がなだらかだ。
日中シンクロで使う
強い逆光など背景が明るい場合、背景に露出を合わせると人物が暗くなりがちだ。これを解消するのがストロボを使っての日中シンクロ撮影。ストロボの光で人物と背景との明るさのバランスを調整することで、両方ともしっかり表現する。こんなときにも、近くから広い光を放てる90cmオクタは役に立つ。
汎用性が増した30×120cmストリップボックス
もうひとつの新サイズである30×120cmは、長辺がかなり長めの長方形をしており、ストリップボックスと言われるタイプのソフトボックスだ。筆者は従来からある30×90cmを良く使用しており、特に多灯ライティングには欠かせない存在と感じている。
今回発売された30×120cmは長辺が30cm長くなっているのがポイント。ストリップボックスはキーライト(メイン光)でも使われるが、エッジライトやリムライトに使うことが多い。それは長辺側はハイライトからシャドウまでなだらかに変化する一方、短辺側は30cmしかないので急速にシャドウに落ちからだ。そのため、エッジライトやリムライトに向いている。人物以外にも車やバイク、物撮りなどにも使い勝手が良い。
人物の場合、120cmになったことで、全身をライティングできるようになったことが大きい。また、狭い範囲をライティングできるので様々なシーンで役立つ。
もちろんキーライトとしても使用でき、全身をナチュラルに表現するライティングも可能だ。その場合、均等にライティングするにはパワーを要するので、よりパワーのあるB10などを使用するといいだろう。リムライトやエッジライトとして使用するのであれば、A10で十分だ。
さらに専用のストリップマスクを取り付けることで、短辺側を10cm幅に狭められる。また、30×120cmに取り付け可能なソフトグリッドも用意されており、光の拡散を50°まで狭めてライティングできる。オプションを使いこなすことで、フレキシブルな運用が期待できそうだ。
90cmオクタと30×120cmの組み合わせ例
次の例はキーライトにOcta 90cmを使用。モデルから約3mくらい離れて照射している。
加えて、画面右後から30×120cmに10cm幅のマスクを装着、これをリムライトとして当ててみた。立体感が表現できた。
まとめ
今回、90cmオクタと30×120cmの2種類のライトシェーピーングツールで撮影をおこなった。ソフトボックスのサイズが大きくなることで、ライティングの質がさらに向上する。OCFシリーズらしい軽さと手軽さを損なわず、サイズアップしたライトシェーピングツールが使えるのは、B10やA10などのユーザーにとって朗報だろう。
また、OCFシリーズは組み立ても楽で、ファスナー付きのケースも収納しやすくともて好印象だ。今回紹介した二つのライトシェーピーングツールは、サイズが大きくなったことで、ロッドが頑丈になり少し力が必要になっている。しかしその分、より造りがよくなった印象だ。
ライティングはストロボの光の質はもちろん、ライトシェーピーングツールの性質でも決まる。余裕あるサイズが登場したことで、OCFシリーズの魅力がより増したのは間違いない。
おまけ:iPhoneでライトシェーピングツールを使う
少し話しはズレるが、Profotoは、スマートフォンからA10やB10シリーズを発光させることができるアプリ「Profoto
Camera」をリリースしている。このアプリを使うと、連動しているProfotoのストロボをスマートフォンのカメラ撮影に合わせて発光させることができるのだ。
このカメラ機能を使うと、連動しているProfotoのストロボをスマートフォンのカメラ撮影に合わせて発光させることができるのだ。
今回の撮影の合間に、実際にモデルを日中シンクロで撮影してみた。モデルのオフショットなどコミニュケーションの1つとして使えるのでぜひ試して欲しい。
制作協力:プロフォト
モデル:sono
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