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Tuesday, June 29, 2021

プロフォトOCFアクセサリーにビッグサイズが登場!そのメリットを解説します - デジカメ Watch

lohduri.blogspot.com
左が新サイズの90cmオクタ。右が従来の60cmオクタ

スウェーデンのストロボメーカーProfotoより、新たなライトシェーピーングツールが発売された。

Profotoは多くのプロフォトグラファーに愛用されているストロボを長年作っているメーカーで、近年ではハイアマチュアでも使い易い「Profoto A10」(以下A10)などのオンカメラストロボや、「Profoto B10」(以下B10)などのバッテリー式モノライトを多く発売している。筆者も学生時代から長くProfoto製品を使っており、現在は「Profoto A1」「Profoto B10」「Profoto D2」を使って様々な撮影をおこなっている。

Profotoの魅力は沢山あるが、美しい光はもちろんのこと、高速チャージなどプロの過酷な現場でも止まらない高性能さと安定感が魅力だ。

さらに、Profotoのストロボには様々なライトシェーピーングツールを装着することができる。ライトシェーピーングツールとはストロボの光の質や照射角度を変える重要なアクセサリーのことだ。

現在、ライトシェーピーングツールはすでに120種類あり、Profotoの強い武器となっている。ライトシェーピーングツールにはハードタイプとソフトタイプがあり、用途に合わせて使い分けができる。

のうちソフトボックスは「RFiシリーズ」と「OCFシリーズ」の2ラインが用意されている。「RFiシリーズ」はスタジオで使う頑丈で耐久性の高いシリーズ。モデリングランプがハロゲンでも使えたり、しっかりしているため組み立てに時間が掛かってしまう一面もある。

もう一つの「OCFシリーズ」は、バッテリー式モノライトが主流になり登場した。とにかく組み立てが楽でスピーディー、軽量コンパクトで使い勝手抜群のシリーズだ。

今回紹介したいライトシェーピーングツールは、OCFシリーズに追加された「OCF ソフトボックス 90cm Octa」(以下90cmオクタ)と「OCF ソフトボックス 30×120cm」(以下30×120cm)の2種類だ。

どちらもこれまで小さなサイズで発売されていたが、今年6月にひとまわり大きなサイズがラインナップに追加された。

全身撮影が容易になった「90cmオクタ」

基本的に筆者が人物撮影をする場合、従来からのサイズである「OCF ソフトボックス 60cm Octa」(以下60cmオクタ)を使用することが多い。

60cmオクタで効率良く光を当てようとすると、バストアップかウエストアップでの撮影が都合が良く、その反面、全身を撮影するとなると、被写体から光源を離さなければならない。

しかしライトを被写体から離すと今度は光が硬くなってしまい、生っぽくなってしまう。被写体の近くからより広い面積に光を当てるには、光源自体の大きさが必要なのだ。

そして、今回発売された90cmオクタは、60cmオクタより一回り大きくなったことで光をより均一に広く照射することができる。直径90cmもあれば多くのシーンで人物全身のライティングが可能になる。

OCF ソフトボックス 90cm Octa

実際に使用してみると、大きさ、ソフトボックスの深さ共に十分な余裕があり被写体を均等にライティングすることができた。ハイライトから影の落ちるフォールオフまでなだらかで階調豊かな表現。内部ディフュザーとアウターディフューザーによる拡散効果による光の美しさは、さすがProfotoのソフトボックスだ。

またオクタは八角形のため、瞳に入るキャッチライトも美しい。光の質や安定感も60cmに比べてあるので非常に使い易い印象だ。

ただ、90cmともなるとかなりのサイズ感になる。ロケーションでの使用は風が吹くことも考え、少し頑丈なスタンドとウエイトを使うことオススメしたい。

自然光のフィルライトとして

窓から入る光りをメイン光に90cmオクタをフィルライトとして使った。繊細で柔らかいライティングができるのも90cmオクタの魅力だ。

90cmオクタを使用(フィルライト)

Hasselblad X1D II 50C / XCD 80(63mm相当) / マニュアル露出(1/125秒・F1.9) / ISO 100

バストアップ

メイン光を90cmオクタとし、モデルに寄って撮影。キャッチライトがオクタらしく美しい。ハイライトからシャドウの落ち方もなだらかできれいだ。

90cmオクタ(バストアップ)

Nikon Z 7 / NIKKOR Z 50mm f/1.2 S / マニュアル露出(1/200秒・F2.2) / ISO 64

フルショット

90cmオクタをモデルから3mほど離しての全身撮影。背景の陰影を見ても分かるように光の回り方が美しく自然だ。

90cmオクタ(フルショット)

Nikon Z 7 / NIKKOR Z 50mm f/1.2 S / マニュアル露出(1/200秒・F4.0) / ISO 64

60cmオクタとの比較

同じ位置・光量で90cmオクタと60cmオクタを比較してみた。90cmオクタの方が足元までカバーしているのがわかる。影のエッジも90cmオクタの方がなだらかだ。

90cmと60cmの違い

90cmオクタ
60cmオクタ

日中シンクロで使う

強い逆光など背景が明るい場合、背景に露出を合わせると人物が暗くなりがちだ。これを解消するのがストロボを使っての日中シンクロ撮影。ストロボの光で人物と背景との明るさのバランスを調整することで、両方ともしっかり表現する。こんなときにも、近くから広い光を放てる90cmオクタは役に立つ。

日中シンクロ(引き)

Hasselblad X1D II 50C / XCD 80(63mm相当) / マニュアル露出(1/1,000秒・F1.9) / ISO 100

日中シンクロ(寄り)

Hasselblad X1D II 50C / XCD 80(63mm相当) / マニュアル露出(1/1,000秒・F1.9) / ISO 100

日中シンクロなし

Hasselblad X1D II 50C / XCD 80(63mm相当) / マニュアル露出(1/1,000秒・F1.9) / ISO 100

60cmオクタ専用グリッド

60cmオクタのアクセサリーとして専用のソフトグリッドが用意されている。60cmオクタ用のグリッドと同様、取り付け方法はプルオーバー式で、フロント部分に被せるだけ。スピーディーに装着できる。

OCF ソフトグリッド 50° 90cm Octaの装着例

このグリッドは光の照射角を50°に制限することで、光の広がりをコントロールする。背景を暗く落としたい場合やコントラストを上げたい時などに有用だ。

90cmオクタ+グリッド

Hasselblad X1D II 50C / XCD 80(63mm相当) / マニュアル露出(1/2,000秒・F5.6) / ISO 100

汎用性が増した30×120cmストリップボックス

もうひとつの新サイズである30×120cmは、長辺がかなり長めの長方形をしており、ストリップボックスと言われるタイプのソフトボックスだ。筆者は従来からある30×90cmを良く使用しており、特に多灯ライティングには欠かせない存在と感じている。

OCF ソフトボックス 30×120cm

今回発売された30×120cmは長辺が30cm長くなっているのがポイント。ストリップボックスはキーライト(メイン光)でも使われるが、エッジライトやリムライトに使うことが多い。それは長辺側はハイライトからシャドウまでなだらかに変化する一方、短辺側は30cmしかないので急速にシャドウに落ちからだ。そのため、エッジライトやリムライトに向いている。人物以外にも車やバイク、物撮りなどにも使い勝手が良い。

人物の場合、120cmになったことで、全身をライティングできるようになったことが大きい。また、狭い範囲をライティングできるので様々なシーンで役立つ。

手前が従来製品のOCF ソフトボックス 30×90cm。奥が新製品のOCF ソフトボックス 30×120cm

もちろんキーライトとしても使用でき、全身をナチュラルに表現するライティングも可能だ。その場合、均等にライティングするにはパワーを要するので、よりパワーのあるB10などを使用するといいだろう。リムライトやエッジライトとして使用するのであれば、A10で十分だ。

さらに専用のストリップマスクを取り付けることで、短辺側を10cm幅に狭められる。また、30×120cmに取り付け可能なソフトグリッドも用意されており、光の拡散を50°まで狭めてライティングできる。オプションを使いこなすことで、フレキシブルな運用が期待できそうだ。

フルショット

30×120cmをキーライトとして一灯撮影。縦方向には光が広がるが、横方向は急激に露出が落ちるので背景を暗くすることができる。

30×120cm(フルショット)

Hasselblad X1D II 50C / XCD 80(63mm相当) / マニュアル露出(1/500秒・F2.8) / ISO 100

バストショット

このソフトボックスは幅が30cmと短いため、ちょっとしたライティングにフレキシブルに使える。その見た目から全身フルショット向けと思われがちだが、光の一部を使うことでバストショットなど寄りにも利用可能だ。

下の例では観葉植物を前ボケにして人物を撮影、その際に画面左側にボックスを入れ、人物をライティングしている。ちなみにキャッチライトは縦長になる。

30×120cm(バストショット)

Hasselblad X1D II 50C / XCD 80(63mm相当) / マニュアル露出(1/125秒・F1.9) / ISO 100

90cmオクタと30×120cmの組み合わせ例

次の例はキーライトにOcta 90cmを使用。モデルから約3mくらい離れて照射している。

90cmオクタのみ

Hasselblad X1D II 50C / XCD 80(63mm相当) / マニュアル露出(1/750秒・F2.0) / ISO 100

加えて、画面右後から30×120cmに10cm幅のマスクを装着、これをリムライトとして当ててみた。立体感が表現できた。

90cmオクタ+30×120cm

Hasselblad X1D II 50C / XCD 80(63mm相当) / マニュアル露出(1/750秒・F2.0) / ISO 100

(参考)30×120cmのみ

Hasselblad X1D II 50C / XCD 80(63mm相当) / マニュアル露出(1/750秒・F2.0) / ISO 100

まとめ

今回、90cmオクタと30×120cmの2種類のライトシェーピーングツールで撮影をおこなった。ソフトボックスのサイズが大きくなることで、ライティングの質がさらに向上する。OCFシリーズらしい軽さと手軽さを損なわず、サイズアップしたライトシェーピングツールが使えるのは、B10やA10などのユーザーにとって朗報だろう。

また、OCFシリーズは組み立ても楽で、ファスナー付きのケースも収納しやすくともて好印象だ。今回紹介した二つのライトシェーピーングツールは、サイズが大きくなったことで、ロッドが頑丈になり少し力が必要になっている。しかしその分、より造りがよくなった印象だ。

ライティングはストロボの光の質はもちろん、ライトシェーピーングツールの性質でも決まる。余裕あるサイズが登場したことで、OCFシリーズの魅力がより増したのは間違いない。

おまけ:iPhoneでライトシェーピングツールを使う

少し話しはズレるが、Profotoは、スマートフォンからA10やB10シリーズを発光させることができるアプリ「Profoto
Camera」をリリースしている。このアプリを使うと、連動しているProfotoのストロボをスマートフォンのカメラ撮影に合わせて発光させることができるのだ。

このカメラ機能を使うと、連動しているProfotoのストロボをスマートフォンのカメラ撮影に合わせて発光させることができるのだ。

今回の撮影の合間に、実際にモデルを日中シンクロで撮影してみた。モデルのオフショットなどコミニュケーションの1つとして使えるのでぜひ試して欲しい。

B10+90cmオクタ+専用グリッド

iPhone 11 Proで撮影。Profoto Cameraアプリは本格的な設定ができスマホでも日中シンクロ撮影ができる。B10の光の質の良さもあるが、スマホでもここまで撮影できるのだ。
iPhone 11 Pro / 4.25mm(26mm相当) / 1/8,800秒 / F1.8 / ISO 160

制作協力:プロフォト
モデル:sono

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