人気の「ミラーレス一眼カメラ」。その中で、大手カメラメーカー「キヤノン」(Canon)が開発・販売する、35mmフルサイズセンサー搭載レンズ交換式ミラーレス一眼カメラが「EOS R」シリーズです。
EOS Rシリーズには、キヤノンが一眼レフカメラ「EOS」(イオス)シリーズで培った技術やノウハウが注ぎ込まれています。EOS Rシリーズの特徴と、上位モデルが発表されたばかりのラインアップを紹介しましょう。
キヤノンが新規開発したフルサイズミラーレス一眼カメラシステム「EOS R」
EOS Rシリーズは、キヤノンが新規に開発した、35mmフルサイズ(36.0×24.0mm)撮像センサー採用のミラーレス一眼カメラです。
一眼レフカメラ「EOS」シリーズを展開するキヤノンは、ミラーレスカメラとしてはAPS-Cサイズの撮像センサーを採用する「EOS M」シリーズ(レンズマウントは「EF-M」)を2012年から展開しています。その後、フルサイズでもミラーレス一眼の台頭が著しい中、レンズ交換式カメラシステムの命とも言えるレンズマウントも含め全く新しいシステムとしてEOS Rシリーズを開発。2018年10月、第1弾となるボディ「EOS R」を発売しました。
核となるレンズマウント「RFマウント」は、EOSシリーズの「EFマウント」と同じ54mmの大口径と、レンズ最後端とセンサーが近いショートバックフォーカスを採用し、光学性能と設計の自由度を高めています。電子接点はEFマウントの8ピンから12ピンに増やし、通信速度を大幅に向上。フォーカスやズーム、手ブレ補正、各種収差などの情報をカメラに瞬時に伝え、効果的な補正が可能になっています。
高感度なセンサー、高速なAF
EOS Rシリーズでは、キヤノンがRFレンズに光学設計を最適化した、自社開発・自社生産の35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載しています。これにキヤノン独自の映像エンジン「DIGIC」を組み合わせ、常用できる高感度や高速連続撮影などを実現します。
オートフォーカス(AF)技術「デュアルピクセルCMOS AF」は、フルサイズセンサーの全画素を位相差AFセンサーとしても使用するもの。RFレンズからの情報を連携させることで、フルサイズカメラとして最速レベルのAFスピードや、広範囲な測距エリア、暗いシーンなどでも高精度なAFを実現しています。
また、カメラボディ側の電子ダイヤルに加え、レンズ側にコントロールリングを実装。ファインダーをのぞいたまま直感的な操作ができるようになっています。
高性能レンズが中心の「RFレンズ」 「EFレンズ」はアダプターで利用可
専用のRFレンズは、“大三元”などと呼ばれる開放F2.8以下の広角・標準・望遠ズームや、「RF85mm F1.2 L USM」「RF50mm F1.2 L USM」といった高性能な「L」レンズなどがそろっています。反面、安価なズームや気軽な単焦点などは少なく、レンズメーカー製も含めてラインアップの充実はこれからです。
一眼レフ用のEFレンズを装着して撮影できるマウントアダプターが用意されており、シンプルなアダプターのほか、コントロールリング付きや円偏光(サーキュラーPL)フィルター付き、可変式NDフィルター付きのアダプターも純正アクセサリとして販売されています。
アダプタを活用すれば豊富なEFレンズを利用できるのはメリット。現在のレンズ資産を活用しながらEOS Rシステムに移行できます。ただ、EOS Rシステムの性能を100%発揮するためには、専用に開発されたRFレンズを装着する必要があるでしょう。
EOS Rシリーズ:ラインアップを解説
「5」を受け継ぐ最新鋭フラッグシップ「EOS R5」
EOS Rシリーズの最新モデル「EOS R5」(2020年7月下旬発売予定)は、一眼レフ「EOS 5D」のミラーレス版とも言える、「5」を受け継ぐハイアマチュア・プロ向けの機種。現時点でEOS Rシリーズのフラッグシップモデルとなります。
新開発の約4500万画素フルサイズCMOSセンサーと新映像エンジン「DIGIC X」により、EOSシリーズ史上最高という解像性能を実現。静止画撮影時の常用でISO 51200相当の高感度、最高約20コマ/秒(電子シャッター撮影時)の連写性能、「デュアルピクセル CMOS AF II」により画面の約100%に拡大した測距エリア、世界初の8K動画撮影、レンズ側と合わせ8.0段までという手ブレ補正──など、最新のフラッグシップ機にふさわしい性能を備えています。
キヤノン公式オンラインストアでの価格はボディのみ50万6000円(税込)です。
フラッグシップの性能を凝縮 「EOS R6」
R5と同時に発表された「EOS R6」(2020年8月下旬発売)は、R5と同等の性能を凝縮したハイアマチュア向け機種。フルサイズ一眼レフ「EOS 6D」と同じ位置付けと言えるでしょう。
センサーの有効画素数は2010万画素。R5には及ばないとはいえ、一眼レフのフラッグシップ機「EOS-1D X Mark III」が搭載するセンサーをR6用にカスタムしたものです。新映像エンジン「DIGIC X」、常用で最高ISO 102400相当の高感度、最高約20コマ/秒(電子シャッター撮影時)の連続撮影、「デュアルピクセル CMOS AF II」による高性能AF、8.0段の手ブレ補正──と、R5と同等の性能を備えています。R5の4500万画素センサーや8K撮影が不要なら魅力的なモデルです。
キヤノン公式オンラインストアでの価格はボディのみ33万5500円(税込)です。
シリーズ1号機「EOS R」
「EOS R」はEOS Rシステムの第1号機として2018年10月に発売されました。
約3030万画素のCMOSセンサーと映像エンジン「DIGIC 8」を搭載し、常用感度ISO 40000相当の高感度や「デュアルピクセルCMOS AF」による高速・高精度なAFを実現しています。
最新の「R5」「R6」には譲るものの、スペック的には現時点でも十分なもの。ただ、タッチ操作が可能な「マルチファンクションバー」には賛否があるなど、最新の「R5」「R6」と比べると、新機軸を盛り込んだ1号機だけにこなれていないと感じる部分があるかもしれません。
2020年7月現在、ボディの実売価格は19万円前後〜となっています。
魅力的な価格のエントリーモデル「EOS RP」
「EOS RP」はEOS Rシリーズのエントリーモデル。2020年7月現在、ボディのみが12万円台後半〜、「RF24-105 IS STM レンズキット」が16万円台後半〜と、比較的安価に入手できるフルサイズミラーレス一眼です。
有効2620万画素のフルサイズセンサーと、EOS Rと同じ映像エンジン「DIGIC 8」を搭載。「デュアルピクセルCMOS AF」による高速なAF機能などを備えています。
ボディサイズは 132.5(幅)×85.0(高さ)×70.0(奥行き)mm、重さ約485グラム(バッテリー、メモリカード含む)と、EOS R(重さ660グラム)などと比べて小型軽量で扱いやすいのも特徴です。
天体撮影専用の「EOS Ra」
「EOS Ra」は、「EOS R」をベースにした天体撮影専用カメラです。
約3030万画素のフルサイズCMOSセンサーはEOS Rと同等ですが、センサー前面のローパスフィルターの特性を変更し、電離水素が放つ輝線の1つ「Hα線」(波長656.28nm)の透過率がEOS Rと比べ約4倍になっています。「オリオン大星雲」(M42)などの赤い散光星雲を撮影するのに適しています。
天文ファンにはありがたいフルサイズカメラですが、一般の被写体を撮影すると実際より赤みの強い画像になり、適切なカラーバランスが得られないことがあるため、天体以外の撮影にはお勧めできません。
2020年7月現在、実売価格は30万円弱〜となっています。
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