日立製作所は2022年3月21日、グループ会社の日立レールが、米国に鉄道車両製造工場を建設すると発表した。7000万ドル(約86億7000万円)を投資し、Washington Metropolitan Area Transit Authority(ワシントン首都圏交通局)向けの8000系車両を製造する。
同社は今回、メリーランド州ワシントン郡のホープウェルバレー工業団地近くの土地を取得。建設工事は2022年秋から本格的に開始し、開業は2023年度の冬を目指す。
工場敷地は約16万6000m2。約2万8500m2の工場建屋には、製造ライン、倉庫、事務所を設置。敷地内には約730mの試験線を用意し、走行試験を実施する。1カ月に最大20両の地下鉄車両を製造できるほか、トラムや地下鉄、高速列車までさまざまな種類の車両を製造し、北米の鉄道市場の要望に対応する。
新工場では、460人の従業員を含む1300人が従事し、年間3億5000万ドル(約433億円)の所得を雇用でもたらす。さらに、熟練工を育成し、地元の幅広いサプライチェーンを創出する。ワシントンDC、メリーランド州、バージニア州には、工場建設の60%に当たる4000万ドル(約49億5000万円)以上を発注し、中小企業に4分の1以上(約27%)を発注する予定だ。
新工場の最初の作業は、ワシントン首都圏交通局向けの地下鉄車両8000系の256両(オプション含め最大800両)で、最大22億ドル(約2720億円)分の注文となる。新型車両は2両1組、1組当たり130席の電動車で、1980年代前半から運行している2000系と3000系電車に代わり導入される。
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