ピカピカに見える旧車もレストアの精度は微妙!?
いま旧車は人気があり、車両価格も高騰している。旧車というひとつのジャンルが確立されているのだが、ひとつ心配なことがある。それが「そのうちレストアができなくなるのではないか」ということだ。未再生車という例外はあるのにしても、旧車がきれいに、そして調子よく維持できたり、高価で販売できるのはレストアできるからというのが大前提だったりする。将来的にはそれができなくなる気がするのだ。 【写真】安くてイケてる「脱定番」旧車4台!
理由1 部品の供給
これは以前からある問題で、経済状況などにも左右されやすい。家電は8年経ったら部品の供給や修理対応が終了するが、それに近い状況になるかもしれない。クルマの場合は、メーカーによってはかなり古いパーツも供給してくれているが、儲かるものではない。 専門のクラシックセンターを設置して、部品供給やレストア対応をしている欧米とは比べようもないが、商売として考えると実際のところは厳しいのもまた事実。日本車の場合、とくにサードパーティの部品メーカーがほとんどないだけになおさらだ。EV、自動運転全盛ともなると、ガソリン時代の部品を供給してくれるのだろうか?
理由2 職人の減少
すでに問題になりつつあるが、テクニック的に修理や修復ができなくなりつつあること。エンジンまわりでいうと、キャブレターの調整やオーバーホール、各部の調整。専門的にはなるが、オーバーホール時にエンジンを加工してくれる内燃機屋もどんどんと廃業している。 またボディともなるとさらに深刻で、切り貼りや叩き出しなどできる職人が減っているし、育てる環境もない。そう考えると、ピカピカにレストアされた車両が高値で取り引きされているが、実際はどれだけ本格的にレストアされているかは微妙かもしれない。
理由3 電子部品の故障
理由1と2はすでに問題になっていることで、想像つくことでもある。理由3は一部で頭を抱え始めているが、これから大きな問題になってくる、電子部品の修理だ。旧車というのは当然だが、時代とともに対応車種もスライドしていく。旧車に対して、ヤングタイマーやネオヒストリックが出てきたのがいい例で、現状でいうと1980年代、そして1990年代もだんだんと旧車扱いされるようになってきている。 この年代の鬼門が電子制御で、1980年代はいわゆるマイコンのハシリ。その後もどんどんと採用が広がっていくが、これらが今、少しずつ故障やトラブルが発生し始めている。シンプルながらもコンピュータだけに、メカニカルパーツのように20年や30年以上も使い続けられるわけはないのだが、いずれにしてもどう直すかが大問題だったりする。 基盤のハンダ剥がれやコンデンサーの液漏れなら直せることはけっこうあるが、基盤ごと燃えたり、半導体やコンデンサーなどがすでに手に入らないこともあるし、メーカーによっては専用部品を使っていて、そもそも汎用品には適合するものがなかったりする。もちろん部品があったとしても、原因を探って修理するのはノウハウも技術も高いレベルが必要だ。自動車メーカーが復刻してくれればいいが、電子部品はなかなか難しい。 以上の3つがレストアがなくなる理由で、とくに深刻なのが3つめだ。バイクでも同様なことが起こっていて、修理不可で廃車になる例も出てきている。電気自動車の時代が到来するかという流れ自体、レストアを許してくれないかもしれない。新型車を見るにつけ、「これをレストアする時代がくるのか?」と思うのだが、実際は来なくても不思議ではないだろう。
近藤暁史
からの記事と詳細 ( まもなく「旧車趣味」が消える? 肝心の「レストア」ができなくなるかもしれない理由3つ(WEB CARTOP) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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