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Sunday, August 15, 2021

MINIとポール・スミスによるカスタムメイド車両「MINI STRIP」世界初披露 - Goo-net(グーネット)

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輸入車 [2021.08.16 UP]

MINIとポール・スミスによるカスタムメイド車両「MINI STRIP」世界初披露

MINI STRIP と ポール・スミス氏

MINI STRIP と ポール・スミス氏

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 デザイナー、ポール・スミス氏とのコラボレーションで開発されたMINI STRIPが、8月12日、ロンドンにおいてワールド・プレミアを飾った。テーラーメードの車両は一点もので、2020年11月に告知されたMINIとポール・スミスとのコラボレーションの成果となる。英国を代表する両ブランドが、この数ヶ月間、サステナブルデザインに関するクリエイティブアイデアを共有しながら製作を進めていた。

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「シンプルさ、透明性、持続可能性」がテーマ

MINI STRIP

MINI STRIP

 MINI STRIPは、自動車メーカーが直面する持続可能性の問題に対して革新的なアプローチにスポットライトを当てている。「シンプルさ、透明性、持続可能性」をテーマにしており、3ドアのMINI Cooper SEは、その名が示す通り、全体的に「不要物を取り除き」、本質的な構造にまで削ぎ落とされた。続いてポール・スミス氏が絶対に必要だと考える要素のみを定義し、実装し、配置され、持続可能性が前面に押し出された。

 MINIデザイン本部長のオリバー・ハイルマー氏は、「MINI STRIPは、MINIとポール・スミスがイノベーションとデザインの観点から未来に対して同じ勇気ある考え方を共有し、協働することでより大きな成果がもたらされることを素晴らしい形で示したと思います。彼は、デザイン・プロセスの最初の段階から直接、自動車の門外漢であり、それゆえ斬新な視点から本質的な質問を投げかけました。強烈な個性を打ち出すステートメントを一緒に生み出すことができたことを誇りに思っています。」と語った。

外部からの視点は重要なインスピレーションの源

 ポール・スミス氏は次のように語っている。「伝説的なMINIを新たな視点で捉えなおす機会が与えられたことに非常に感謝しています。従来のクルマにはなじみがあり、大好きですが、私たちは伝統を尊重しつつ、未来を見据えることで、実にユニークなクルマを作り出しました。MINIチームは、車両デザインを作り出すに当たって新たな手法を取ることに信頼を寄せ、自由を与えてくれました。それは私にとって冥利に尽きるものでした。私たちは、本質的なものを洗い出し、アイテムを絞り込み、自動車から不要なものを取り除くことで、何か全く特別なものを一緒に作り出した、と信じています。」

デザイン ー 完璧な不完全さ

MINI STRIP 2

MINI STRIP

 共同開発のプロセスでは、最大限に削ぎ落すことで、文字通りミニマリスティックで高品質のデザインが生まれたが、それでも斬新で型にはまらない雰囲気が保たれている。数多くのディテールに工夫が施され、3ドアのMINI Cooper SEのエクステリアに全く独自の美しさを生み出した。エクステリアデザインでは、素材感を大切にしているため、ボディはカラー塗装を施さず、腐食防止のための透明な薄いフィルムを貼っただけの未完成の状態に。亜鉛メッキ鋼板には、工場での研削痕をあえてそのまま残しており、この車両が機能的な製品、そして日常生活に欠かせない頑丈なパートナーであることを示している。この意図的な粗仕上げの手法は、ポール・スミス氏曰く「完璧な不完全さ」だ。

むき出しの素材がもつ表現力

MINI STRIP サイド

MINI STRIP サイド

 MINI特有のブラック・ベルトのパーツは、再生プラスチックから3Dプリントされ、パネルと同様にむき出しの素材のままとなっている。自転車愛好家でロードバイクのパーツを自身で交換したり改造するポール・スミス氏の着想で、ボディ・パーツには目に見えるボルトが使用されている。これは取り外しがいかに容易か、車両がそのライフサイクルを終えた後、原材料サイクルに再び組み入れることがいかに簡単かを示している。3Dプリントによる際立つ質感を持った、3Dプリント製のフロントおよびリア・エプロン・インサートは、機能的で独特な印象を添えている。

 電気自動車で典型的な、閉じたラジエーター・グリルとホイール・カバーがMINI STRIPでも採用されており、空気抵抗を低減し、理論上の航続距離を向上させている。グリル・カバーとホイールのエアロ・プレートは、再生プレキシガラス製。これにより軽量化するだけでなく、資源も節約可能。同様に大きなパノラマ・サンルーフも再生プレキシガラス製で、大部分がむき出しのままになっている室内の構造を見ることができる。

インテリアの極端なまでの削ぎ落し

MINI STRIP インテリア

MINI STRIP インテリア

 「シンプルさ」と「透明性」をモットーに、MINI STRIPは、インテリアに極端なまでの削ぎ落しが行われた。ダッシュボード、トッパー・パッドおよびリヤ・シェルフを除いて、すべてのトリム・パーツが意図的に取り除かれ、ボディ・シェルが大きな存在感を示している。特に目を引くのはそのブルーのカラーで、ポール・スミス氏たっての希望によるもの。むき出しの素材と強烈なブルーがインテリアに独特な美しさをもたらし、むき出しでありながら「装っている」ようなデザインになっている。

 通常は複数のパーツから成るダッシュボードは、スモークガラスのルックスを持つ1つの大きな半透明のコンポーネントのみで構成されている。円形のエレメントを備えたおなじみのMINIデザインに準拠し、形状はかなり単純化され、きわめてグラフィカルに実装されている。クラシックなセンター・メーターパネルに代わり、所有者のスマートフォンがその役割を担う。スマートフォンがセンター・ディスプレイの位置に置かれ、自動的に車両に接続され、メディア・コントロール・センターとなる。室内の唯一の触覚的な操作エレメントは、センター・スタックの下にあるパワー・ウィンドウとスタート/ストップ機能用のトグルである。

革新的な素材で資源を大切にする

  • MINI STRIP インテリア2

  • MINI STRIP インテリア3

 「サステイナビリティ(持続可能性)」の観点で、MINI STRIPの室内では、ミニマリスティックな形状デザインと並んで、リサイクルされた素材が中心に使用されている。内装にはレザーとクロームはまったく使用されていない。その代わりに、シートはニット・テキスタイルでカバーされている。単一素材として完全に実装することで、パイピングを含むシート・カバーが完全にリサイクルされ、マテリアルサイクルが維持できると考えられる。フロア・マットは、再生ゴム製。人造大理石のようなパターンは、再生と製造プロセスの副産物であり、カラフルな要素を演出し、この素材において第二の活躍の場が与えられたことになる。

 ダッシュボードのトッパー・パッド、ドア・パネル、リヤ・シェルフも形状が大幅に削ぎ落され、再生コルクで作られた。ここで使用されているコルクは、人工的な結合剤なしで成形でき、完全にリサイクル可能なもの。コルクは、その心地よい強度と柔らかな感触が相まって、将来的には発泡プラスチックの代替品になるとみられている。リサイクルの可能性と再生可能な原料としてのコルクは、その「製造」中にCO2を結合するため、温室効果ガスを削減にもつながる可能性がある。また、ニット素材やコルクは、どちらも開孔性の素材であるため、室内の音響効果を高めることができるというメリットもある。

ミニマリスティックで機能的 ー ディテール

MINI STRIP ドアパネル

 インテリアで目を引くステアリング・ホイールは、必要最小限の機能にまで絞り込まれている。ステアリング・ホイール・リムは、自転車構造に準じてハンドルバー・テープが巻かれている。3本のアルミ・スポークが、ホーン・パッドと接続されており、ホーン・パッドはネットだけで覆われ、エア・バッグが見える。目に見えるボルトは、エクステリアと同様に、アルミニウムを再利用できるように後で簡単に取り外すことができることを示している。1時の位置にある小さなポール・スミスのファブリック・ラベルは、インテリアにおいてコラボレーションを象徴するものの一つ。

 ドア・パネルはエア・バッグを覆っているのと同じネット製で、フレームで保持され、ドア構造が見えるようになっている。見る角度によって編み込まれたネットの透け具合が変化し、視覚的に室内の雰囲気を和らげてくれる。ドア・パネルのプル・グリップには、クライミング・ロープが巻かれている。インテリアが明るいオレンジで、同色のベルトと同様に生き生きとした印象を与える。アルミ削り出しのドア・オープナーは、コルク製のパネル部分にあるプル・グリップと同様に、ドア領域を高品質に仕上げている。ドアの上方に目を向けると、ルーフ・フレームに目に見えるエアバッグ・カートリッジが設置されている。室内の目に見えるケーブル経路と同様に、このエアバッグ・カートリッジは、車両構造において基本的に表には出ない機能を意図的に演出し、美的に組み込まれている。

より持続可能な未来を見据えたアプローチ

MINI STRIP リア2

 MINI STRIPに組み込まれたすべての独創的なディテールは「フォルムは機能に従う」という考えに基づいている。シンプルさ、透明性、持続可能性がデザイン・プロセスにおける中心テーマとして、車両のあらゆる側面に反映されている。特にインテリアでは、MINI STRIPは、MINIの信条である「クリエイティブな空間の使用」を、先鋭的かつ本質的なMINIの新デザインで実現しており、自動車デザインにおいて資源のより持続可能な使用のための新たなアプローチでもある。

グーネットマガジン編集部

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