2021年4月28日、トヨタは開発中の水素エンジンを搭載した、カローラ スポーツをベースとした競技車両のテスト走行を富士スピードウェイで行った。
5月21日から行われるスーパー耐久「富士24時間」に参戦
すでに、乗用車の「MIRAI」やバスの「SORA」で、水素を燃料とするFCV(燃料電池自動車)を販売しているトヨタ。カーボンニュートラルなモビリティ社会実現に向けて、今度は「水素エンジン」の技術開発に取り組み、カローラ スポーツをベースとした競技車両に水素エンジンを搭載してモータースポーツに参戦するという情報は、以前に当Webモーターマガジンでも紹介した。
4月28日、その水素エンジンを搭載した競技車両のテスト走行が富士スピードウェイで行われた。ベース車両は、カローラスポーツ。搭載されるエンジンは、排気量が1618ccの直列3気筒インタークーラーターボ付き。排気量と気筒数から推測すると、GRヤリスに搭載されているG16E-GTS型エンジンがベースになっているようだ。現在のところ、最高出力などのパワースペックは公表されていない。
テスト車両なのでスポンサーなどのカラーリングは施されていないホワイトボディのカローラ スポーツだが、前後のフェンダーはかなり広げられており、迫力満点だ。リアエンドのセンターには1本出しの大径エクゾーストエンドも目をひいた。
リアのゼッケン「32」のそばに付けられた「ST-Q」とは、2021年シーズンからスーパー耐久シリーズに新設されたカテゴリーで、STO(スーパー耐久シリーズのオーガナイザー)が参加を認めたメーカー開発車両、または各クラスに該当しない車両を意味する。このカローラ スポーツは、前者にあたると思われる。
トヨタでは、この水素エンジンを搭載したカローラ スポーツをベースとした競技車両で、2021年5月21〜23日に行われるスーパー耐久シリーズ 2021 Powered by Hankook 第3戦「NAPAC 富士SUPER TEC 24 時間レース」から、「ORC ROOKIE Racing」の参戦車両として投入する。
モータースポーツの厳しい環境で水素エンジンを鍛えていくことで、サスティナブルで豊かなモビリティ社会の実現を目指すトヨタ。まずは、水素エンジンを搭載したカローラ スポーツの健闘に期待しよう。
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