新型コロナウイルスの影響で経営不振に陥った事業者に支給される国の「持続化給付金」をだまし取ったとして、警視庁は29日、松山市の無職の男(36)ら3人を詐欺容疑で逮捕した。警視庁は、男が約100人に虚偽申請を指南し、総額約1億円を詐取したとみている。
ほかに逮捕されたのは、ともに職業不詳で、愛知県一宮市の男(45)と東京都新宿区の男(37)。
捜査関係者によると、3人は6月上旬頃、都内に住む30歳代の会社員の男を個人事業主だと偽り、コロナの影響で収入が減ったとする虚偽の売り上げ台帳や確定申告書を作成。中小企業庁の専用サイトを通じて申請手続きを行い、持続化給付金100万円をだまし取った疑い。警視庁は、松山市の男が愛知県一宮市の男から虚偽申請の方法を教わり、知人のつてなどで集めた約100人の名義を使って虚偽申請を繰り返していたとみている。詐取金の大半は松山市の男らが受け取っていたという。
持続化給付金はコロナの影響で月間売り上げが前年同月より50%以上減った中小企業や個人事業主が対象。法人200万円、個人100万円が上限で、今月21日時点で約336万件、約4兆4000億円が給付された。
簡単な手続きで迅速に給付されるが、一方で、不正受給が多発。SNS上には「申請代行」をうたう書き込みが並んでおり、7月以降、山梨、愛知、兵庫県警などが不正受給した大学生や指南役らを詐欺容疑で逮捕している。
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