- 2020/04/13
- MotorFan編集部
トヨタ・ハリアーが7年ぶりにモデルチェンジし、6月頃に発売されることがトヨタから正式にアナウンスされた。クロスオーバーSUVの元祖と言える存在が、4代目でどんな進化を遂げているのか。燃費性能や価格など明らかになっていないスペックもあるが、現時点で判明している情報を基に、3代目と比較してみよう。
1997年にデビューした初代ハリアーは、海外市場ではレクサスRXとして販売されていた。その双子関係は2003年に登場した2代目でも継承。しかし、レクサスRXが2009年にフルモデルチェンジを果たして3代目に移行した後も、日本では2代目ハリアーが継続販売され、それ以来、レクサスRXとハリアーは独立したモデルという位置づけとなった。
そして2代目ハリアーは約10年という長寿を全うした後、2013年に3代目へとバトンタッチ。幅広いマーケットに投入されるレクサスRXとは異なり、3代目ハリアーは日本専用車に生まれ変わった。そのおかげでボディやエンジンをダウンサイズすることが可能となり、より日本市場にマッチしたSUVへと変貌を遂げた結果、6年間、好調なセールスをキープし続けることに成功した。
そして、4代目となる新型ハリアーは6月頃の発売がアナウンスされている。新型コロナウイルスの影響のため、発表会などが開催されることなく、ニュースリリースが配布されるのみとなってしまったが、本来ならば4月開催のニューヨーク・オートショーで華々しくデビューするはずだった…という巷の噂がある。それが本当だとすれば、4代目は日本だけでなく、北米でも販売されることになるのだろう。
全長と全幅を拡大しつつ、全高はダウン
そんな想像を膨らませながら、3代目との比較を行なってみよう。まずはボディサイズから。
4代目は3代目よりも20mmずつ全長と全幅を拡大する一方で、全高は30mmダウンとなっている。前述した通り、3代目は歴代ハリアーで初めてダウンサイジングを敢行したモデルだったのだが、全高以外ちょっとずつ大きくなった4代目のボディサイズは2代目に近づいた(2代目は全長×全幅×全高:4735mm×1845mm×1680mm、ホイールベース:2715mm)。
サイドビューで目につくのは、フロント・オーバーハングの違いだ。3代目はフロントオーバーハングを長く、リヤは逆に切り詰めた「インバランス」なプロポーションを標榜していた。一方で4代目はフロントオーバーハングが明らかに短縮されており、よりオーソドックスなプロポーションをまとっているのが分かる。2代目から続く、強く前傾したDピラーの特徴的な造形は4代目でも健在だ。
ハリアーのデザインといえば、グリルも要チェックである。実は初代から縦パターンを採用しているのだ。3代目ではアクリルカバーで覆われていたが、その奥には縦パターンがしっかりと存在していた。4代目も同様で、グリルに縦溝を設けることでハリアーの伝統を継承しているのがわかる。
4代目のフロントマスクで特徴的なのは、ヘッドライト内に配されたL字型のデイタイムランニングランプだ。3代目もヘッドライトには凝っており、3本のライン状に発光するクリアランスランプが備わっていた。
新MCプラットフォームからGA-Kプラットフォームへ
4代目ハリアーのプラットフォームは、GA-Kを採用する。TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)において、ミドルサイズのFFパワートレーンに対応するプラットフォームで、他にRAV4やカムリ、レクサスESが採用している。4代目ハリアーの2690mmというホイールベースはRAV4と同一なので、両車の基本的なメカニズムは共通していると見ていいだろう(3代目ハリアーの「新MCプラットフォーム」も先代RAV4と共通だった)。
2.5ℓ直4HVと2.5ℓ直4はともにダイナミックフォースエンジンを搭載
4代目ハリアーに用意されるパワートレーンは2種類で、2.5ℓ直4+ハイブリッド(THSII)と2.0ℓ直4+CVT。3代目とは似て非なるもので、ハイブリッドの2.5ℓエンジンは2AR-FXEからA25A-FXSへ、2.0ℓエンジンは3ZR-FAEからM20A-FKSへと、どちらも最新のダイナミックフォースエンジンへ進化している。なお、M20A-FKSに組み合わされるのはワイドなレシオカバレッジが自慢のダイレクトシフトCVTだ。
ちなみに3代目で選ぶことができた2.0ℓ直4ターボ(8AR-FTS)+6ATは、4代目ではラインアップから外れてしまった。その一方で、4代目ではハイブリッド仕様にもFFが追加されたのが新しい。
トヨタ新型ハリアーのエンジン2種をご紹介 A25A-FXSとM20A-FKS、ともに超高効率の新世代エンジン
トヨタ新型ハリアーが発表された。搭載されるエンジンは(ひとまず)2種。ガソリン仕様のハイブリッドおよびエンジン車である...
■4代目ハリアーのパワートレーン
2.5ℓ直4+THSII(ハイブリッド)
・エンジン型式:A25A-FXS
・排気量:2487cc
・最高出力:178ps(131kW)/5700rpm
・最大トルク:221Nm(22.5kgm)/3600-5200rpm
2.0ℓ直4+ダイレクトシフトCVT
・エンジン型式:M20A-FKS
・排気量:1986cc
・最高出力:171ps(126kW)/6600rpm
・最大トルク:207Nm(21.1kgm)/4800rpm
■3代目ハリアーのパワートレーン
2.5ℓ直4+THSII(ハイブリッド)
・エンジン型式:2AR-FXE
・排気量:2493cc
・最高出力:152ps(112kW)/5700rpm
・最大トルク:206Nm(21.0kgm)/4400-4800rpm
2.0ℓ直4+スーパーCVT-i
・エンジン型式:3ZR-FAE
・排気量:1986cc
・最高出力:151ps(111kW)/6100rpm
・最大トルク:193Nm(19.7kgm)/3800rpm
プリクラは夜間の歩行者や昼間の自転車に対応したが...
安全装備に目を向けてみると、4代目ではプリクラッシュセーフティの検知対象が拡大され、夜間の歩行者や自転車(昼間)が加わった点がトピックだ。ただ、ヤリスで実現していた交差点での対向直進車や左右折時の横断歩行者検知機能が、4代目ハリアーの広報資料には謳われていない点が気になる。RAV4も4代目ハリアーと同様の安全装備ではあるのだが、2020年に登場する最新の上級SUVが安全装備でヤリスに劣るようでは残念だ。
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April 13, 2020 at 05:54PM
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