JR東日本が新幹線への貨物専用車両の導入を検討していることが30日、分かった。複数の同社関係者が明らかにした。1編成のうち1両を貨物専用に改造することを検討し、専用車両新造に向けた設計作業も開始。新型コロナウイルスの感染拡大で低迷する長距離旅客輸送に代わり、新幹線物流事業の拡大を目指す。
JR東は地上輸送では最も早く、安定的に荷物を運べる新幹線の利点を生かし、平成29年7月から月1件程度、首都圏で開くイベントで使用する地場産品を各地から輸送。今年9月以降は、東北、上越の各新幹線で1日上下各1〜2便、週20便程度の貨物定期便を運行している。
これまでの輸送量は、車内サービス用の物品を保管するスペースなどを利用するため1便当たり最大で段ボール40箱程度に限られていた。そこで、1編成のうち1両の座席を全て取り外し輸送用に特化した車両への改造を検討。400箱程度まで輸送量を拡大する。来年中の導入に向け市場ニーズの調査を進めている。
さらに、搬送作業を効率化するため、輸送用パレットをそのまま車内に搬入できるように扉の幅を広くとった貨物専用車両の設計も開始。導入は数年先になる予定だ。
JR東が旅客車両を減らしてまで貨物輸送に活路を見いだすのは、今春以降の新型コロナによる旅客輸送低迷が背景にある。5月には同社の新幹線と長距離特急の利用客が前年同月比9割減で、その後も低迷。9月に発表した令和3年3月期連結決算の業績予想は最終損益が4180億円の赤字で、民営化後初の通期最終赤字となる見通しだ。
一方、新型コロナによる生活様式の変化で旅行に行かずに遠隔地の産品を購入するニーズは増加。JR東は新幹線で青森県産の魚を生きたまま輸送した実績もあり、受注は増加傾向にあるという。
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