シリコンバレーのロボティクス企業「Nuro」は、カリフォルニア州の施設に配達ロボットを配備し、医療スタッフや患者に物資を運ぶ試みを開始した。
Nuroの最高法務責任者であるDavid Estradaは、サクラメントのバスケットボールスタジアムと、サンマテオのイベントホールに自動運転配達ロボット「R2」を配備し、医師や看護師向けに物資の配達を開始したことを明らかにした。
R2は乗用車の半分のほどの大きさのコンパクトEVで、窓はなく、形状はトースターに似ている。配達専用の車両のため、内部に運転席や座席はない。
「検査キットや薬、食糧、水、オフィス用品など、必要とされる様々な物資を届けている。物資の積み込みから受け取りまで、接触を一切排除することができる」とEstradaは話す。Nuroはこのサービスを無料で提供している。
カリフォルニア州マウンテンビューに本拠を置くNuroは、ウェイモやGM傘下のクルーズのようなロボットタクシーの開発を目指しているわけではない。同社は、これまでR2を使って野菜や食品、日用品を住宅街や郊外のユーザーに配達していた。
同社はこれまでにソフトバンクなどから10億ドル(約1080億円)を調達している。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、同社ではR2の新たな用途を検討している。
「我々は、自分たちの技術を使ってどのような貢献ができるか真剣に考えた。そこで思いついたのが、ドライバーと受取人の接触を排除した物資の配達だった。接触のない配達ソリューションを提供することで、医療従事者に必要な物資を早く、安全に届けていく」とNuroの共同創業者であるDave Fergusonはブログ上で述べた。
4月にNuroはベイエリアの公道でR2を運用する許可をカリフォルニア州から取得した。同社はこれに先立ち、都市部の公道でR2の実証テストを行う許可を規制当局から取得している。同社は、Roush Enterprises と共同でR2を開発している。
R2には360°のビジョンシステムが搭載されており、他の車両や歩行者、自転車、路面状況をモニタリングすることができる。これまではアリゾナとヒューストンで食料品の配達を行っていたが、カリフォルニア州での取組みは新たな領域への進出につながるかもしれない。
「我々のミッションは、ロボティクスを通じて人々の生活をより豊かにし、世界に大きく貢献することだ。しかし、ゴールまでの道のりは長い。新型コロナウイルスによる危機を解決するのはロボットではなく、人間であり、ヒーローだ」とFergusonは語った。
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April 27, 2020 at 08:30AM
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医療現場でも活躍の自動運転ロボット車両「Nuro」の実力 - Forbes JAPAN
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